W.B.イェイツの詩集『薔薇』を読む。アイルランドまで行ってイェイツに面会したほどにこの詩人を敬愛した尾島庄太郎による訳。原本は60年代半ばに発行されたもので、50年代後半の仕事という訳文はやや古びて感じられる。しかし、詩の内容に即して文体を使い分けたり、訳者の傾倒ぶりが伝わってくる1冊だ。
青年期から晩年にいたるイェイツの詩が精選されているが、ひとつ印象的なのは「恋の詩」が多いということ。青年時代はもちろん、最晩年にいたってもそうなのだ。イェイツもまた「歳をとるほどに精神がみずみずしくなる」タイプの人だったのかもしれない。
1889年、イェイツ24歳のときに編まれた『十字路』にある「恋人に与う」。
我らは、ここに孤舟を繋ぎとどめ、
草地、砂地をそぞろあゆみ、
手を組み合って、永久にさまよおう、
「はるけくも、不安の境を、
逃れ来しものよ。」と二人して、低くつぶやいて。
多く愛する人は、多く愛される人でもある。イェイツについては詳しくないが、どんな人生を送ったのか、ちょっと覗いてみたくなった。

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