2026年3月3日火曜日

20世紀音楽の死物語再スタート

 


 雑誌『CDジャーナル』の仕事をよくしていた頃だから2005〜10年あたりだろうか、CDJ編集部の某君と「ロック・ミュージシャンの死にざまをテーマにムックを1冊作らないか」という話がもちあがった。CDJとの縁が薄くなるとともに話はいつの間にか立ち消えとなったが、あるとき、ふとそのことを思い出し、同じテーマで自分のブログを作ろうと思い立った。2017年だったと思う。

 ロックだけでなくジャズもクラシックもその他民俗音楽も含めて取り上げるミュージシャンのリストを作ると、約100名になった。完走できるかなという疑問を持ちつつも書き始めると、キーボードを叩く勢いは快調そのもの。短期間のうちに25名ほどまで進んだ。

 しかし、物事には翳りがつきまとう。生来何をやっても長続きしない性格もあってだろう、マリア・カラスについて書く段となって、手の動きがぴたり停まった。伝記をいくつか読みそこから発想して文を作成していくという方法で進めてきたのだが、何冊伝記を読んでもマリア・カラスという人物の輪郭がイメージできない。笑い話めくが、彼女が美女であったかそうでなかったかといったレベルで判断不能に陥ってしまったのである。それが足止めとなり、結局はブログの更新停止が以後4年ほど続くことになる。


「20世紀音楽の死物語」、滑ったり転んだり

 2022年の春のある日、その頃日々通っていた八王子市南大沢図書館で特集テーマコーナーの開架に置かれていた1冊の文庫本の表紙が目にとびこんできた。和田誠・村上春樹両氏による『ポートレイト・イン・ジャズ』(新潮文庫)だ。瞬時思いついた、そうだ、肖像画イラストとの組み合わせでブログを仕立て直してみよう、山下セイジ君にお手伝い願おう。

 そうとなったら話は早い、すぐに山下君にメールを送って相談。快諾を得て、Wordpress上にサイトを作り、下準備。原稿はすでに以前のものがあるからイラストの出来上がりを待ち、2022年4月、ページはスタートした。


 作業は順調に進んだ。月に2〜3回のペースでページを更新。年をまたいで1年後の2023年4月、既存の原稿はほぼ使い尽くした。そして、ここでまた一波乱が起きる。

 連載30回目となる二村定一のテキストを送った4月末日、山下君から体調不良の連絡があった。様子見となってその1か月後、二村定一の肖像画イラストが送られてきた。しかし、不吉な文言が添えられていた。彼の体調不良はただの体調不良ではなく、肺結核の怖れがあるという。

 そして、怖れは的中した。6月、山下君は手術を受けるべく入院。それとともに、「20世紀音楽の死物語」も当然ながら更新ストップ。さらに、通常は平均3か月ほどと言われる彼の入院は6か月にまで延び、同時に退院を待つこちらもものを書くことができない精神のトラブルに見舞われた。ブログは停止状態を続け、翌年になって消滅した。


 そんな「20世紀音楽の死物語」ブログを、一昨日再開した。正確にはブログではなく、ここ数年広く注目を集めているnoteフォーマット上で。

 noteのエディターの操作に慣れないせいもあって、なかなかスピーディーにとはいかないが、しばらくは再構築を続けて行く。その結果がどうなるかは、全く予想もつかないが。


0 件のコメント:

コメントを投稿