2026年3月14日土曜日

こなべちゃん、逝く

 


 3月12日、「現代の浮世絵」と呼ばれる魅力的なグラビア写真で知られるカメラマン、渡辺達生が逝った。病死らしい。

 今から52年前の1974年、彼が専属カメラマンだった雑誌『GORO』が創刊されて間もない頃、この雑誌で記者をつとめていた家崎晴夫を介して知り合った。同誌の専属カメラマンにはもう一人渡辺姓がいて、身体が大きい彼を「おおなべちゃん」、小柄な達生君を「こなべちゃん」と呼んだ。

 当時ロック雑誌に多く寄稿していた僕に彼が「ロックのことを教えてよ」とすり寄ってきたのが親しくなるきっかけだった。『GORO』ではもっぱらゴーストライター風の役目をしていた僕は、彼と組んで仕事をしたことはない。それなのに、編集部でいちばん多くおしゃべりする相手が彼だった。

 1978年を境に僕は『GORO』と縁遠くなったので、以後長い間彼に会うことはなかった。再会は2014年、学士会館で開催された「相倉久人さんを送る会」でだった。「うわっ」と叫んで彼が駆け寄ってきたのを思い出す。

 その後はもっぱらFacebook上でやりとりするつきあいで、直接会うのは結局のところ「送る会」が最後となった。

 2011年に彼が立ち上げた遺影撮影のプロジェクト「寿影」は、「あの世へは笑っていこう!」がテーマだった。こなべちゃんもまた笑って河を渡っていったと思いたい。

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